先日、850のリアゲートの異音(カタカタ音)の修理対応をさせて頂いた車両があったのですが、最終的な原因部品が私の中では初めての経験で意外だったので、ご紹介です。結局原因は以下のパーツでした。
なんと、リアゲートロックの車体キャッチ側にクラックが入り外側に開いていました。上がクラックが入り開いたもの(赤矢印部がクラックです)、下が正常な状態のものです。ちなみにこちらの交換指示はオーナーさんからのもので、大正解の診断でした。私も外から手でリアゲートを揺すったりもしたのですが、特に大きなガタつきは感じず、まさかこんな事なっているとは思いませんでした。リアゲートのロック側にガタツキが出て異音に繋がるケースは何度か見た事がありますが、キャッチ側は初めての経験でした。
せっかくなので、取外し方法も簡単に紹介します。
リアゲート一番手前の内装パネルが邪魔で取外しできませんので、まずこのパネルを取り外します。リアゲートのフロアパネルの手前をめくり、左右の部分もめくります。上に引っ張りあげるだけで取れます。そうしますと、かなりの本数トルクスネジで止まってますので、ネジを全て外します。
サイドは2カ所クリップで止まっていますので引っ張ってとります。このクリップはリアゲート内張のクリップと同部品で非常に破損しやすいのですが、なんと一つ300円程する高級品です。このクリップが割れやすいが為に、整備時はできるだけ取外しをしたくない部分ではあります。
内装パネルを取外すと、キャッチ全体が見えてきます。トルクス2本で固定されていますのでので取り外します。トルクスのサイズは40です。ちなみにこのキャッチは上下左右に位置を調整できますので、位置をマークしてから取り外しをした方が良いです。
もう一枚写真を紹介ですが、下の写真は875の部品との比較です。上が850で下が875になります。よく形状を見比べると875のものの方が、クラックが入りにくいように形状変更されているように見えます。たまに感心するのが、こういう数年後のモデルでウィークポイントをきちんと対策した部品が出ている事です。おそらく世界のどこかでは同じようにクラックが入る事例がおきて、対策されたのでしょうか?ちなみに、今回はオーナーさんのご希望で、ロックもキャッチも875用のものに交換をしました。ロックも875の方が開閉のモーターが壊れにくくなっているそうです。
余談で最後にもう一つ紹介ですが、下写真の矢印部分ですが、ここにもクラック入ってワレているものがよくあります。私の経験上その部分がワレている車両はリアゲートの扉が閉まりにくいです。
リアゲート回りの異音や、閉まりにくい等でお困りの方、一度キャッチ側も点検してみてください。今まであまり出品していませんでしたが、こちからはできるだけ在庫をとっておくようにしようと思います。ひとまず850用はこちら、875用はこちら、でそれぞれ出品中です。よろしくお願いいたします。