今回は850/V70(8B)の燃料ポンプの取外し作業の紹介をしたいと思います。比較的良く故障し、燃料漏れのトラブルもある部品になります。燃料回りの整備はきちんとした手順で行わないと火災の原因にもなりますので、専門的知識を持った方で行うようにして下さい。
燃料ポンプへのアクセスですが、ラゲッジルーム奥側のフロアパネルをめくった部分になります。銀色のプレートがありますので。そちらを取外していきます。頭が10mmのボルト5本です。
プレートをめくると、燃料ポンプAssyがみえます。この部品取り車のものは比較的最近交換されたようで非常に綺麗です。上部に亀裂が入って燃料が漏れ、配線部などが剥き出しになっている車両が多々あります。中々気づきにくい部分のトラブルです。
次に燃料ホース2本を外します。このホースが中々外しにくい事があります。外側のスリーブを上に引き上げながら、工具でテコのように外すのですが、スリーブの状態によっては非常に外れにくいです。工具の選定も重要で、マイナスドライバー等では外しづらく、ホースの真下から上にきちんと力が加わるように、湾曲した工具が良いです。
次にポンプを止めている大きい樹脂リングを取外します。半時計回りに回せば緩んでとれます。専用工具があると一番良いですが、先を丸めたマイナスドライバー等を叩き棒にして緩める事も可能です。非常に固くしまっている事もあるので、破損しないよう細心の注意が必要です。また燃料がたくさん入っていると燃料が漏れてきますので、燃料が多い場合は少なくして作業する必要があります。
配線のカプラーは写真の部分にありますので、ラゲッジのパネルは取外す必要があります。左右のラゲッジのパネルをめくると、ネジが2本づつで固定されています。余談ですが、リアショックを交換する時もこのパネルを外します。リアショックは、このパネルを外せば、後は上下1本づづナットを外せば交換できますので、割と簡単に交換できます。
固定の樹脂リングもカプラーも取り外すとポンプASSYがズボっと上に引き抜けます。頭の部分のすぐ下にある黒いリングはOリングです。後で詳しくかきますが、このOリングの取付不良で燃料漏れをしている車両もあります。
燃料ポンプのASSYです。この状態を新品購入すると安くても6万円程度と高額なので、故障時は内部のモーターだけ交換する場合が多いです。その場合はここからモーターだけを取り外して交換していきます。ただ、上部亀裂で燃料漏れをおこしている場合も多いのでASSYでの交換ができればそれが一番良い選択ではあります。
取付時の注意点ですが、Oリングをポンプに取付をして組み込む人が多いです。その時、Oリングがタンクの口に正常にはまり込まず、燃料漏れをしているケースがあります。組み込み時はOリングはタンク側の口につけてから、燃料ポンプを組み込んだ方が、そういう間違いは起こりにくいです。
また固定の樹脂リングですが、タンクが膨張変形している為か非常にはめにくいです。斜めにはまり込んで上手くポンプを固定できずに、燃料漏れを起こしているケースがあります。上から力を加えながら水平にはまり込むよう注意をする必要があります。また、このリングを新品にしたい所ではありますが、タンクが膨張している為、新品のリングがはまり込まないという事も多々あります。その為、破損の場合は別の中古品を使うとい手もあります。
取付は以上2点によく注意して行う必要があります。最後に大事なのは、作業終了後に燃料を満タンにして漏れがないかチェックするという事です。また、確認時に漏れるからといって樹脂リングを必要以上に固くしめるのも破損の原因になりますのでNGです。漏れる場合は、何か問題がありますので面倒でも手順を確認し直す事が必要です。
以上、燃料ポンプの取外しの紹介でした。外した燃料ポンプはこちらで出品中です。よろしくお願いいたします。