ボルボ850/V70(8B)用トノカバー　をリペアキットで修理

こちらがリペアキットになります。輸入元の英語の作業説明書付きで1セット8800円にて販売をしております。それなりの価格になりますが、製品自体は綺麗で精度も良いものです。（以前、別のリペアキットも見た事がありますが、そちらはもっと作りが荒かったです）

それでは修理手順を紹介していきます。まず、サイドのカバーを外します。壊れているものであれば、内部の軸がワレているので、外側に引っ張ればスポっと外れると思います。

3本小さいネジで固定されている、内部のエンドカバーも取り外して、内部の軸が見える状態にします。

次に、ワレているプラスチック軸の残っている部分や、内部にチューブのようなものも入っていますので、取り出します。軸の部分は、破損が進んでいれば簡単に取れると思いますが、そうでなければ、マイナスドライバーなどでこじって破壊して、取り出します。中々やり難いと思うのですが、その他の部品を破損しないように注意して下さい。

取り除いた後の内部は、こんな感じです。端に黒い樹脂のエンドピースが残っていますので、今度はこの部品を取り外します。小さい部品ですが、これが非常に重要な部品で、後から再使用もしますので、慎重に取り外していきます。

まず、エンドピース中心の棒を内部に押し込みます。2.5㎜のドリルの裏側等を使用します。

次に写真のように、金属の軸をプライヤーで押さえておいて、もう一本のプライヤーをテコのようにして、エンドピースを取り外します。結構固いので中々やり難いですが、慎重に作業して下さい。

エンドピースを外して、中に落とし込んだ中心の棒も回収して下さい。ここまでで下準備は完了です。反対側のサイドカバーの内部も同じように分解して作業しておいて下さい。

次は、リペア金具を取付していく手順です。まず、ネジ3本で取り外したエンドカバーを元に戻します。その後、写真のように、リペア金具を入れて、エンドピース、エンドピース中心の棒という順番で組み立てていきます。リペア金具の左右に注意してください。カバーの形状に合う方を使用します。

エンドピースをポンチ等で叩きいれます。まず、エンドピースを叩きいれ、最後に中心の棒を叩きいれます。左右とも同じように作業しますが、左右でリペア金具の向きが180度反対にならないように注意して下さい。

エンドピースと中品の棒を叩きいれた状態です。エンドピースがロックする部分（大体、中の金属の軸とツラになるくらい）までは叩きいれる必要がありますが、あまり叩き込みすぎるとエンドピースを破壊しますので、慎重に作業して下さい。（私は作業時、エンドピースを破壊してしまい、別のトノカバーからエンドピースを補充する羽目になってしまいました）

また、最初に外したサイドカバーの内部ですが、破損の状況によっては、内部に残っている部分を、削る必要があります。出っ張っている部分が残っていると、トノカバー全体の長さが長くなり、最終的に車両に取付できません。写真ぐらいになっていれば大丈夫のようです。今回は特に削る必要はありませんでした。

左右とも同じようにリペア金具を取付して組み立てしたら、最後に軸にテンションをかける作業があります。この作業をせずに、サイドカバーを閉じても、正常に巻取りができません。写真のように少し、カバーを出した状態にします。また、左右のリペア金具が回転しますので、写真のように両端はテーブルから出して、金具の回転の邪魔にならないようにします。

リペア金具の片方を、カバーを巻き取る方向に巻いていきます。元に戻ろうとする金具を押さえ込みながらの作業になりますので、軍手必須です。片方を回転させれば、反対側のリペア金具も回ります。しばらく巻き取っていくと、カバーが徐々に巻き取られていくと思います。完全にカバーが巻き取られたら、そこからさらに1回転程余分に回して、サイドカバーを閉じます。

元に戻ろうするリペア金具を押さえ込んだまま、うまくサイドカバーを被せてきます。失敗すると、リペア金具が勢いよく回転して元に戻りますので、手を切らないよう注意して下さい。両方のサイドカバーを被せて修理完了です。カバーを引っ張って正常に巻き取るかテストして下さい。もし巻取りが弱ければ、追加でもう何回転かテンションをかけると良いと思います。